当院の肝斑治療には、治療の前に必ず全身の状態を見ます。たとえば、脈診(みゃくしん)と舌診(ぜっしん)などを行います。これは「美」は心身の健康を基礎として初めて成立するものと考えているからです。シミは肌のトラブルだけでなくて、身体内部の状態を反映しているのです。脈診と舌診は中医学独特な診断法で、あなたの抱えている症状を引き起こしている原因を探ることが可能です。その疾患になる原因を鍼治療で取り除く、肝斑の改善と同時にストレス、便秘や月経時の不快感、生理痛、疲れやすい、肩こり、冷え性、むくみなどの女性に多い悩みの症状の改善も可能になります。
|肝斑(黄褐斑)とは
肝斑はまた「黄褐斑」、「蝶斑」と呼ばれる。顔面、特に前額、眉毛上部、鼻背、頬、口囲などに見られる。左右対側性で境界が鮮明な、淡褐色〜暗褐色の、地図状または、蝶のような形状をしている不規則的な片状の色素斑である。20歳台後半から、40歳台の女子に多く見られるが、特に妊娠した女性の発生率がもっと高いといわれる。 また、結核、貧血及び慢性消耗性疾患の患者にも見られることがある。1年を通じて発症するが、外来に受診する人は、外出の機会が多い春から夏に、増えるようです。この病気は発症部位の表面がなめらかで、炎症症状や自覚症状はないが、美容上で患者の精神にストレスが与えることになるため、治療を求める方がかなり増えてきている。鍼灸で体のバランスを取ることによって効果が期待されている。
|肝斑の原因は
西洋医学では
肝斑の病因がはっきりしていないが、ストレス、過労、妊娠、ピルやてんかん剤の内服などの発症要因に、日光照射が加わると、発生すると考えられている。また、女性ホルモンの乱れもひとつの原因であるといわれている。
中医学では
本病が主に肝、脾、腎の機能の失調に密接な関係があると考えられている。情志の不調、暴発的な怒りにより肝の気機の紊乱となり、気血が上栄できず、または気血の郁結不散、過度の思慮により脾の損傷、脾虚のため水湿の運化作用が低下する、水気が上に氾濫する、または、腎は水火の臓であるといわれ、過度の恐あるいは房事の過度により腎を損傷するため、腎精不足を生じ、虚火が顔面部に上炎して肝斑となる。
|肝斑の弁証論治
◎肝郁気滞―怒り易い、胸脇脹満、生理不順を伴う、舌質暗紅、苔少、脈弦
◎脾虚湿蘊―顔色萎色、身体疲倦、腹部脹満、食欲不振を伴う、舌質淡、苔膩、脈沈
◎腎水不足―肝斑の色が濃い、眩暈、腰膝酸軟、五心煩熱を伴う、舌質淡紅、少苔、脈細数
|肝斑の治療法
西洋医学的治療法は
◎トラネキサム酸の飲み薬
◎イオン導入やぬり薬での治療
◎トラネキサム酸配合化粧品でのホームケアを組み合わせる治療
肝斑と鍼灸治療
1.治療法則
脾虚、腎水不足の補いをはかる、主に足太陰脾経、足少陰腎経の穴を取穴する。行気活血化をはかる。足厥陰肝経の穴を取穴する。前者に針にて補法を施し、後者に瀉法を主とする。
本病気は一般的には治り難い疾患で、しばしば再発を繰り返し、鍼灸で治療をしても長期を要する。
2.治療方法
針法
体針 局部取穴
◎前額部にある場合:魚腰など
◎頬部にある場合:顴など
◎鼻部にある場合:印堂など
遠隔取穴 大椎など
タイプ別取穴
◎肝郁気滞 取穴:肝兪など
◎脾虚湿蘊 取穴:脾兪など
◎腎水不足 取穴:腎兪など
耳針
取穴:肝、腎、肺、脾、内分泌、縁中、頬、褐斑点など
耳穴刺絡法
取穴:耳前(熱穴)、肝
吸い玉法
取穴:大椎、至陽など
|養生法
◎紫外線を避けることが必要である。
◎ストレスを避け、心身の休養や、充分な睡眠時間を取ることが必要である。
◎よく水を飲む、野菜と果物を良く食べる、辛甘ものを控えること。
◎局所療法のホルモン剤の長期連用には注意を要する。
◎外的刺激によって、健康な皮膚にも、色素沈着が誘発されることがある。過度の美顔マッサージなどは、受けないほうがよい。
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