4月28日
肝の養生で春を元気に
寒さの厳しい冬も過ぎ去り、春のうららかな陽気に誘われて、身体も心も軽やかに感じるようになってきました。
中医学の「五行学説」では、春は「木」に属し、自然界のすべてのものがのびやかに成長し、新陳代謝が活発になる季節です。人間の体も同様に新陳代謝が活発になり、冬に溜まった老廃物を発散していきます。少し汗をかきやすくなったり、気持が浮き立ったりします。
こうした身体の活動と深くかかわりがあるのは五臓で言う「肝」です。中医学でいう肝は、西洋医学でいう肝臓の働きだけでなく、自律神経の「気(エネルギー)」の流れをコントロールし、精神を安定させたり、内臓の働きをスムーズに保ったりする役割をしています。また、肝は血を貯蔵し、必要に応じ供給するという血の調節機能を担っています。
五行学説によると肝は春に当たる臓器で、春の草木のように「のびのびとしている状態」を好むことが特徴。そのため、ストレスがたまると肝の機能が低下し、消化器系の不調や疲労感、イライラ、憂鬱といった様々な不調が現れるようになります。
季節の変わり目で生活環境が変わることも多い春は、ストレスや不安感じやすい時期。ストレスを上手に発散し、食や生活の養生で、「肝」を健やかに保ちよう心懸けましょう
春の食養生で気をつけたいのは肝を養い肝気の流れをよくすること
◎肝気の流れがスムーズに行かなくなるとイライラやのぼせなど気が逆上した症状が出やすくなります。
このような時は気の流れをよくする食べ物をいただきます。
●えんどうまめ ●みょうが ●竹の子 ●酢 ●たらの芽
●ふき ●玉ねぎ ●菊花 ●ちんぴ(ミカンの皮)
◎また血を補う肝の機能を守るため、血を補う食べ物もいただきます。
●レバー ●肉類 ●青味の魚 ●あさり ●アワビなどの貝類
●なつめ ●ブドウ ●黒ゴマ ●クコの実 ●ブルーベリー
●黒砂糖 ●ひじき ●落花生 ●ほうれん草など。