夏の暑さもようやく落ち着き、爽やかな秋の気配を感じるようになりました。身体もほっと一息つく季節ですが、秋は“乾燥”によるトラブルが起こりやすくなるので油断は禁物。体内の潤いを十分に保つよう心掛け、乾燥のダメージから身体を守りましょう。
「肺」の潤い不足が乾燥トラブルの原因に
秋は空気の乾燥が気になる季節。そのため「燥邪」の影響を受けやすく、身体の潤い不足からさまざまな乾燥トラブルが起こります。特に気をつけたいのは、燥邪のダメージをもっとも受けやすい「肺」。肺は「潤いを好み、乾燥を嫌う」という性質があるため、燥邪の影響で肺が乾燥した状態になると、まずのどや鼻、気管支などの呼吸器系に不調が起こりやすくなります。
また、肺には「気」を生成したり、水分代謝を調整したりする働きもあり、「衛気(身体の防衛力となる気)」や水分を身体の表面(皮膚や体毛)に送り届けています。この機能によって、身体の防衛力を高めたり、皮膚に潤いを与えたりしているため、燥邪によって肺の機能が低下すると、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなったり、皮膚が乾燥した状態になったりするのです。
そのほか、肺と関わりに深い「大腸」も乾燥の影響を受けやすいため、便秘気味になることも。呼吸器系の不調や皮膚の乾燥、便秘といった症状を感じたら、肺が潤い不足になっているサインと捉え、早めの養生を心がけましょう。
◎皮膚の乾燥・痒み
主な症状 皮膚の乾燥・化粧乗りが悪い・乾燥による皮膚のかゆみ・髪のパさつき
皮膚を守る潤い食材
●豚皮 ●豚足 ●鶏の手羽先 ●白きくらげ ●オリープオイル
◎口・鼻の乾燥主な症状
口、のどの乾燥感・味覚が鈍くなる・空咳・声のかすれ・風邪をひきやすい
口・のど・鼻を守る潤い食材
●大根 ●蓮根 ●百合根 ●梨 ●蜂蜜 ●枇杷の葉茶
◎便秘気味(腸の乾燥)
主な症状 便秘気味・コロコロした便が出る・排便時間が長い
大腸を守る食材
●イチジク ●アロエ ●バナナ ●マンゴ ●キウイフルーツ
●白菜