40年の経験、実績と信頼!東京・三鷹にある難病専門の中国鍼灸(はりきゅう)の林鍼灸院にお任せ下さい(対応言語:日本語・中国語・English)
 

聞診とは聴覚および嗅覚による診断法であるが、現代の聴診器を用いての聴診とはやや意味が異なり、聴覚と嗅覚で病人の呼吸音、発声、発語、口臭、体臭などの状態を観察し、正気の盛衰、邪気の消長を探るとともに、臓腑・経絡との関連を診察する方法です。 

*呼吸と声音を聞く

健康人の呼吸は、ゆったりとして深く雑音がない。疾病時には、下記のような異常があれわれる。

1)短気呼吸数が多く、途切れているもので、俗に言う“息切れ”のこと。実証が多く急性で、虚証は多く慢性病に見られる。

2)少気呼吸が静かで浅く、微弱で言葉も少ない。久病(慢性病)で虚証です。

3)呼吸困難のことで、口を開けて肩で息をする。 

・実喘−発作が激しく、息が粗く、音が高い。呼出する時に気持ちがよいもの。 

・虚喘−呼吸が弱く、音が低い、息を吸う時に気持ちがよいもの。

4)咳嗽咳は声あって痰なきもの。嗽は、痰あって声なきもの、共にあるのが咳嗽。

5)嘔吐嘔は声あって物なきもの。吐は物あって声なきもの。ともにあるのが嘔吐。胃の気の上逆で起る。

6)曖気「げっぷ」のこと。満腹時に見られる。呑酸を伴う時は、宿食や消化不良による。そうではない時は脾胃や肝の働きが悪い時見られる。

7)「しゃっくり」のこと。一般的には一過性の胃の気の上逆だが、久病に起こる時は注意を要する。

8)太息嘆息ともいい、ためいきのこと。情志の鬱積による。

9)「あくび」のこと、寒邪に冒された時や、労倦により腎が病んだ時に現れる。

10噴嚏「くしゃみ」のこと。風寒などにより、肺気が鼻に上衝した時に起る物です。

11鼾声鼾ともいい。「いきび」のこと。卒中昏迷時や、熱が盛んな時に現れる。 

*発声と発語を聞く 

健康な人の音声は、発声が自然で、なめらかで、音調もつやがある、のびやかです。疾病ときには以下のような異常を起す。

1)寒証一般にあまり話したがらない。

2)熱証一般によく話したがる。

3)虚証声が小さく、軽く。

4)実証言語がはっきりして、声が大きい。

5)譫語高熱時や狂病などで、神気が常軌を失って発する言語錯乱(うわごと)のこと。実証のものを言う。語声が高く力があるが、話の筋は通らない。

6)呻吟苦しみ、うめく物を言い、通常は痛みによる。

7)驚風証小児が発作的驚いたように叫もの、発声は鋭く、驚き恐る。

*異常音を聞く

呼吸、発声・発語の異常とは別の異常音のことで、振水音と腹中雷鳴がある。

1)振水音胃部を叩打したり、動揺させたときに「ピチャ、ピチャ」と音のするもので、胃内に水が貯まっていることを示す。

2)腹中雷鳴腹部で「ゴロゴロ」という音がするもとで、腸が冷え、清濁を分別できないときに生じる物。 

*臭いを聞く(嗅かぐ)

臭いを嗅ぎ分けるのも聞診の中に含まれている。 実際の臨床で役に立つことは少ないが、主なものを挙げておく。

1)口臭歯槽膿漏か胃炎で、一般によく胃が悪いと言われる。

2)汗の臭いは健康人でも生じるが、長びいて酸っぱい匂いのするのは、湿熱が表に停滞していると考えられる。インフルエンザ等で発熱、発汗が続いた後によく経験する。

3)鼻臭は当然副鼻腔炎であろうが、悪性腫瘍も混在するので注意が必要であろう。身臭には腋臭もあるのでそれ程意味はもたない。

4)排泄物については悪臭と酸臭に分けられているが、概して言えば、悪臭は急性炎症に伴う臭いで熱とされ、酸臭あるいは生臭いにおいは、慢性炎症乃至は悪性腫瘍等によるもので寒性とされる。    

臭いと五臓の関係 

   五臓五香(五臭) 

肝 …… 羶(あぶらくさい) 

心 …… 焦(こげくさい) 

脾 …… 香(かんばしくさい)芳しい 

肺 …… 腥(しょう)(なま臭い) 

腎 …… 腐(くされ臭い) 

*五声 

病勢が進んだり、高熱を発するようになると、障害を受けた臓器により特徴的な発声をする。その声の特徴を聞き分けることによって、障害を受けた臓器を特定する。

1)肝の障害呼―人をむやみに呼ぶ、大きな声を出す。病気の苦痛を強く訴える。

2)心の障害笑・言―言語がはなはだ多くなり、平常、無口の者でも多く話すようになる。

3)脾の障害歌―鼻歌を歌い、いつも歌を口ずさみ、歌うように話し掛ける。

4)肺の障害(泣く)−内向的な性格となり、単純なことに泣きやすく、あるいは 泣きごとをいうようになる。

5)腎の障害呻―うなり声を出す。ことにあって体力が伴わず、あくびが出やすくなる。

   院長 中医師 林 暁萍

中国医師/武庫川女子大学非常勤講師/中国遼寧中医薬大学 客員教授

患者様のつらい気持ちをわかって心がこもった治療は大切ですが、豊富な医学知識、確かな技術により病気をしっかり治してあげることも大切です。だから、私は常に最新の医学知識と医術の勉強を努力しています。誰にも言えない身体の悩みがひとりで抱えないで、ぜひ一度、ご相談してください。

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