40年の経験、実績と信頼!東京・三鷹にある難病専門の中国鍼灸(はりきゅう)の林鍼灸院にお任せ下さい(対応言語:日本語・中国語・English)
 

切診とは脈診と按診を含む。体表を触ることによって病状を把握する。

1.脈診 脈診は、西洋医学では主に心拍数を診るだけですが、中医学では、脈の性状により、病因を推察したり、発熱の度合、予後の判定、病が進行中か回復中かなどの判断をしたり、手技や治療法まで選定する重要な診断法です。

△脈診の部位 脉診は診断に役立てる方法ですが、どの部位の拍動を診るかについては、時代によって違いがある。

*三部九候の診断法

歴史的に見て最も古い脈診法で、『素問』の「三部九候論篇」に見られるが、身体を上・中・下に分け、各々三ヵ所の経穴における浮取、中取、沈取によって脈の拍動の強弱を調べ、比較検討する方法である。

人迎(胃経)…………外頚動脈 胃気を見る

寸口(太淵~肺経)… 橈骨動脈 十二経を見る

衝陽(胃経)… 足背動脈 胃気(後天の気)を見る    

    太谿(腎経)… 後脛骨動脈 腎気(先天の気)を見る  

*寸口3部の脈

手首の橈骨動脈を寸・関・尺の3部に分けて脈を診る。橈骨茎状突起の内側を関、そこより手首側を寸、肘側を尺という。それぞれの部位に現れた脈を関脈、寸脈、尺脈という。

寸口3部の脈と臓腑の関係     

左手      部位     右手    

心(小腸)    寸    肺(大腸)    

肝(胆)     関    脾(胃)

腎(膀胱)    尺    腎(命門)

 

・正常の脈象

正常の脈象(平脈)の特徴は有胃、有神、有根の三つに表現される。 

有胃―脈位は浅くも深くもなく、脈拍は速くも遅くもなく、律動が規則正しい。

有神―ゆっくりとしていて、しかも有力。

有根―尺脈を沈取した時、十分力強い。

・病脈と主病

脈拍の遅速

名称       脈形          主病

遅脈 脈拍は遅い、60/分以下。 遅で有力ー実寒証 遅で無力ー虚寒証

数脈 脈拍は速い、90/分以下。 速く有力ー実熱証 速く無力ー虚熱証

脈の強弱  

名称       脈形          主病

虚脈 寸、関、尺いずれにも無力の脈を感じる、強く按えると、脈が消えそうになる。   虚証

実脈 寸、関、尺いずれにも有力の脈を感じる、軽く按えても、強く按えても強い拍動を感じる 。実証

      

脈の深浅  

名称      脈形          主病

浮脈 脈を軽く抑えると拍動が強く感じるが、強く抑えると弱く感じる。 表証

沈脈 脈を強く抑えないと拍動が感じられない。    裏証

 

脈の動態  

名称       脈形          主病

滑脈 脈の流れが滑らかで、珠が盤上をころがるようである 痰飲、水湿、食滞、実熱証

渋脈 脈の拍動が滑らかでなく、小刀で竹をけずるようである、滑脈と反対の脈 精血不足、気滞血お

              

脈の形態  

名称         脈形       主病

細脈 糸のように細いが、指に拍動がはっきり感じとれる脈  血虚、陰虚

濡脈 細く柔らかい脈で、脈位が浅表部にある 軽く押さただけで拍動が感じる 精血不足、気血不足、湿病

弱脈 細く柔らかい脈で、脈位が深部にある、 強く押さえないと拍動が感じ取れない 気血両虚    

微脈 極度に細く柔らかい脈、指に拍動がはっきり感じ取れな 陽気衰弱(重篤い)

洪脈 ゆったりと大きい脈で、拍動が力強い。 熱盛 

脈の緊張度     

名称     脈形      主病

弦脈  直線的で力強い脈(弾力に富み琴の弦を按えるよう 肝胆病、痛証、痰飲

緊脈  緊張して力強い脈(繩なわをよるよう)     寒証、痛証 

緩脈  脈拍は60/分前後、緩慢で弛緩した脈      脾胃虚弱、湿病  

緩脈は健康な人にも見られるが、その場合はゆったりと安定した脈象を呈する。

脈のリズム

名称     脈形        主病

促脈 脈拍が速くなって、不規則的に止り、短時間で回復する 陽熱亢盛、気滞血お                  

結脈 脈拍が緩慢になって、不規則的に停止し、短時間で回復する 陰盛気結、寒痰血お、陰寒内盛 心陽虚

代脈 脈拍が緩慢になって、規則的に止り、間欠時間がわりと長い 臓気の衰退・痛証

熱証に偏るのが促脈。寒証にかたよるのが結脈、これに対し、寒熱の別なく極度の虚損によって出現するのが代脈。

28種の脈象には、ほかに、散脈、脈、伏脈、牢脈、疾脈、動脈、革脈、長脈がある。

2.按診  

按診とは主に腹診の事を指す。中国より主に日本で研究されて普及した診断法である。 これにも脈診法と同じように総診法と単診法とがあり、総診は手指を揃えて伸ばし、指先部の指腹あるいは手掌を用いて軽く皮膚の表面を軽く触れ、時には強くあんじ、皮膚の温度、湿潤と乾燥度、浮腫や腹水の有無、消化管の動きや腹筋の緊張度や硬結、圧痛などを総合的に診る。

△平人無病の腹 腹部全体が温かく、適当の潤いがあって、硬からず軟らかからず、ちょうどつきたての餅のようなであり、また上腹部が平らで臍下がふっくらして、手ごたえのあるのがいいとされる。

△疼痛

虚証―喜按―押えると痛みが軽減する。

実証―拒按―押えると痛みが増悪する。

△気脹と水鼓

気脹―腹部脹満、叩くと太鼓のような音がする。

水鼓―腹部脹満、押えると水袋のよう+排尿困難

△腫瘤(しこり)

(か)、聚(しゅう)−腹部に腫瘤が現れ足り、消えたり実体のない腫瘤、押えても触らず、痛みの部位は不定―気滞

(ちょう)、積(せき)−腹部に腫瘤があり、押えると硬く、推しても動かない。痛みの部位は固定的―お血

宿便―左少腹部に疼痛があり、押えると索状のしこりに触れる。

腸癰−右少腹部に疼痛があり、強く押さえて、突然手を離すとするどく痛み−急性虫垂炎

△五臓の腹診 「難経」:十六難では、五臓の病変を診る腹診法として以下のように診る部位を割り当てている。

「肝病は、臍の左に動気あり、これを按せば硬く、もしくは痛。 

 心病は、臍の上に動気あり、これを按せば硬く、もしくは痛。 

 脾病は、臍の当りて動気あり、これを按せば硬く、もしくは痛。 

 肺病は、臍の右に動気あり、これを按せば硬く、もしくは痛。 

 腎病は、臍の下に動気あり、これを按せば硬く、もしくは痛。」

   院長 中医師 林 暁萍

中国医師/武庫川女子大学非常勤講師/中国遼寧中医薬大学 客員教授

患者様のつらい気持ちをわかって心がこもった治療は大切ですが、豊富な医学知識、確かな技術により病気をしっかり治してあげることも大切です。だから、私は常に最新の医学知識と医術の勉強を努力しています。誰にも言えない身体の悩みがひとりで抱えないで、ぜひ一度、ご相談してください。

院長の素顔はこちら
院長ブログはこちら

新著書 中医美容鍼灸実践

著書 中医治療学マニュアル

記事が2012.No8 医道の日本に掲載された

記事が2017.No.5 医道の日本に掲載された

※取材依頼はこちら

ホームページのQRコード

ホームページのQRコード

LINE公式アカウント

LINEでのご予約・お問い合わせの受付をはじめました ぜひ友だち追加お願いします