病因辨証とは疾病の発生原因を、主に六淫、七情、飲食労逸、外傷の4つに分類したものである。
中医学では疾病の病因を主に上記の4つとするのですが、ここでは特に六淫を取り上げます。六淫には風・寒・暑・湿・燥・火があり、外感病を引き起こす原因となります。これらは季節や気候、環境と関与し、単独または2つ以上が絡んで疾病を引き起こす原因となります。七情からの内生五邪〔風・寒・湿・燥・火〕や飲食労逸、外傷も六淫を含めて互いに密接に関与する場合があり、特に慢性疾患では複雑な証侯を示します。
1.風淫証侯
発熱、悪風、頭痛、汗が出る、咳嗽、鼻閉、鼻汁、舌苔薄白、脈浮緩
2.寒淫証侯
悪寒、発熱、無汗、頭痛、身体痛、咳喘、四肢厥冷、腹痛、泄瀉等、苔薄白、脈浮緊
3.暑淫証侯
①傷暑 悪熱、眩暈、汗が出る、口渇、精神疲労、尿黄、舌質紅、苔白あるいは黄、脈虚数
②中暑 発熱、昏倒、汗が止まらない、口渇、呼吸が荒い、舌質紅絳で乾燥、脈数
4.湿淫症候
頭重感を伴う頭痛、関節部の痛みやだるさ、屈伸不利、体が重だるい、舌苔白、脈濡滑
5.燥淫症候
発熱、軽い悪寒・悪風、無汗、咳嗽、喉や皮膚の乾き、鼻閉、舌質は乾燥、苔黄、脈浮数
6.火淫症候
高熱、口渇、面紅、目赤、煩躁、譫妄、吐血、鼻出血、発疹等、舌質紅絳、脈洪数か細数