8月28日
ホルモンとはりきゅう⑥
更年期は女性である以上避けて通れないもので、人によりその症状はまちまちで、軽くすんでしまう人もいれば、寝込んでしまうほどひどい人もあります。
加齢ラットを使った実験では、加齢による発情周期の延長や乱れはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌減退が原因とされ、プロゲステロンの投与によって前述の症状は消失します。鍼灸では、百会と京門というツボを刺激することで不定愁訴を解消できることから、鍼灸にはプロゲステロン生産能力を回復させる働きがあると考えられています。また、加齢ラットの運動障害は中枢神経伝達物質のL−ドーパの投与により著しく回復しますが、鍼灸によっても同様の改善が認められています。
副作用の恐れのあるホルモン投与に比べ、本来生体に備わっている力を使う鍼灸治療は安心して行えると同時に、更年期障害のあらゆる愁訴や肩こり、腰痛、ストレス解消といったことに同時に対処できるので、この時期の女性には最適の治療法だといえます。