美味しい食べ物を食べることは、人生において大きな幸せの一つともいえます。そのために味覚は大切な役割を果たしていますが、味が感じられないと食べること、飲み込むことを不快に感じ、また腐った食べ物や毒のある食べ物の味がわからないと、生命にとっても危険です。
味覚障害、味覚異常は近年増加しており、特に最近では10〜20歳代の若い世代でも症状を訴える人が増えています。原因は多岐にわたりますが、近年の味覚障害患者増加の原因は偏った食生活による亜鉛不足と言われています。また味覚障害の最大のリスクは、味覚が低下していることに気づかないうちに塩分や糖分をとりすぎて、その結果生活習慣病を誘発するおそれがあることです。
当院では味覚障害に悩まされる患者さんも多数通われていますので、一度ご相談下さい。
┃味覚の働き
1.食べ物の味を感じ、食欲を刺激する。
2.食べ物の味を弁別し、危険なものを食べないようにする。
3.唾液を分泌させる。
4.消化液の分泌を促し、消化を促進する。
5.生体に必要な成分を含んだ食べ物を選択して摂取することを助ける。
┃嗅覚障害の原因について
口の中で食べ物から味を取り込んでいるのは、舌の表面にある味蕾(みらい)という器官です。ここから得た味覚の情報が脳に伝わり味として認識されますが、この伝導経路に障害が起こると味の認識に異常を来すことになります。ほとんどの味覚異常は末梢性で、味の伝達を行う味蕾の減少・萎縮、唾液分泌の低下などにより生じます。まれに脳腫瘍や外傷、手術等の合併により味覚を支配する神経性の異常が生じます。
主な原因をいくつか挙げます。
①偏った食生活による亜鉛不足
味蕾の再生を促す亜鉛が不足すると味覚障害が生じます。インスタント食品などに含まれる食品添加物は、食品中に含まれている亜鉛が体内に吸収されるのを妨げると言われています。
②唾液の分泌低下
唾液の分泌低下により口腔内が乾燥するドライマウス、シェーグレン症候群などが原因になります。
③老化現象による味覚の減退
加齢とともに味を感じる機能が低下すると言われていて、患者さん全体の約半数は65歳以上の高齢者です。
④嗅覚障害による味覚の低下
嗅覚と味覚は密接に関係しており、鼻の病気が原因で味覚障害を起こすことがあります。例えば風邪で鼻づまりを起こしている時に食べ物の味を感じなくなった、というものです。嗅覚障害と味覚障害を併せて訴えられる患者さんも少なくありません。
⑤表面の粘膜の異常
舌の表面には舌苔(ぜったい)という舌の表面が剥がれたものや食べ物のカス、細菌、白血球の残がいなどが溜まった白い苔のようなものがついています。疲れやストレスによって舌苔が厚くなったり色が変わったりして、舌の違和感や味覚障害を生じることがあります。
⑥薬の副作用やがん治療
降圧剤や精神安定剤、抗生物質、抗アレルギー剤等ごく一般的な薬が味覚障害の原因となり得ます。また、がんで化学療法を受けている患者さんの3〜5割、頭頸部のがんで放射線治療を受けている患者さんのほとんどに味覚障害がみられます。
⑦味を感じる神経の障害
顔の筋肉を支配している顔面神経に麻痺が起こると味覚障害を起こすことがあります。顔面神経麻痺の原因にはいろいろありますが、一番多いのは、ベル麻痺とよばれる特発性の病気です。ベル麻痺は明らかな原因がないのに急に起きるもので、循環障害による神経の腫れによるものではないかと考えられています。次に多いのはヘルペスウイルスによる神経炎で、稀に中耳炎による神経炎や耳下腺の悪性腫瘍も原因となります。
⑧うつ病やストレスなどによる心因性のもの
⑨脳腫瘍や外傷、手術等の合併によるもの などがあります。
┃ 味覚障害の症状
味覚障害の症状は様々ですが、主に以下のように分類できます。
①味がよく分からなくなる「味覚減退」
②味がまったく分からなくなる「味覚消失」
③何も食べていないのに味を感じる「自発性異常味覚」
┃味覚障害の治療
西洋医学では
①まずは積極的に亜鉛を多く含む食品を摂取することが大切です。不足している亜鉛を補うことで味蕾の再生を促し、味を感じやすくします。病院で亜鉛の飲み薬を処方されることもあります。
(亜鉛を多く含む食品)
牡蠣や煮干しなどの魚介類、牛肉、のりやワカメなどの海藻、ゴマやカシューナッツなどのナッツ類、高野豆腐やきな粉などの大豆加工品、チーズや脱脂粉乳などの乳製品、抹茶やココアなどの飲み物 など
②原因となる病気がある場合は、その病気の治療を行います。
③心因性の場合は、抗うつ薬や抗不安薬を使うなど、心の治療を行うことで味覚障害が改善します。
④薬の副作用で味覚障害が起こっている場合には、担当の医師と相談しながら、服用中の薬を見直し、場合によっては薬を中止することもあります。
中医学(東洋医学)では
"心は舌に開竅(かいきょう)す"、"脾は口に開竅す"といわれます。舌や口の症状、つまり味覚障害も心や脾の機能の障害が深く影響していると考えます。
心は血の生成や循環を行うことで気血を全身に巡らせ、全ての臓腑や器官を養います。心が正常に機能していれば、その作用によって十分な血が舌まで行き渡り、味覚が正常にはたらきます。反対に心の機能に障害が起こると、舌への血液が不足または過剰になったり熱を持ったりすることによって、味覚にも影響が出ます。
脾にとって口は外界とを結ぶ消化管の出発地点で、脾の精気は口に通じるため、飲食や味覚は脾の運化作用と密接な関係があります。
脾が正常に機能していれば、食欲があり味覚も正常なため、おいしく食事をすることができます。しかし、脾の機能に障害が起こると、食欲不振や食欲の異常亢進、味覚異常、口が甘い、苦いなど口中に異常な味を感じる、口が粘る、口が乾く、口内炎など、食欲や口内に異常が現れます。
治療では心の経絡や脾の経絡のツボに刺激をするにより味覚障害を改善することが期待できます。
そのメカリズムが鍼灸治療により血流の循環が良くなり、ダメージをうけた味覚神経が回復するのを促進することによってにおいが回復するのではないかと言われている。
当院でもたくさんの味覚障害の方が納得できるまで回復したケースが多いのです。味覚障害になたっら早めに治療の経験のある当院で鍼灸治療をすすめです。
症例
女性 62歳 初診2024年4月
昨年7月にコロナ感染症にかかりその前後から匂いがしなくなりました。食事の味は甘い、酸っぱい、辛い等は分かる。
当院で5回の鍼灸治療後、嗅覚は8割正常になり、味覚も全部わかるようになった。
男性 76歳 初診2024年4月
2月中旬か味覚異常に気付いた。病院に原因不明の味覚障害だと言われた。
当院で2回の鍼灸治療後、味覚は少しわかるようになり、5回後、7割回復した。嗅覚も正常になりました。
女性 42歳 初診2022年1月
昨年8月コロナ感染して、3日後味覚、嗅覚とも障害になり、発熱もあった。女性 42歳 初診2022年1月
昨年8月コロナ感染して、3日後味覚、嗅覚とも障害になり、発熱もあった。
当院で2クールの鍼灸治療後、味覚も嗅覚も正常になりました。
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