当院では大勢の脳卒中の患者が通ってきています。中国では脳卒中の針灸治療は針灸適応症の中で最も多い疾患の一つです。当院では院長が神経内科にて長時間の治療経験を生かし、脳血管障害に対する予防と治療を目的とした特殊な針治療の方法を用いて、かなり高い効果が得られます。特に脳卒中による後遺症は早いうちに鍼灸治療した方が効果出やすいとされています。
|脳卒中とは
脳卒中は脳血管障害により起る。多くの場合、片麻痺をきたす。かつては死亡率の第1位を占める疾患であったが、現在では悪性腫瘍、心疾患に次いで第3位を占める。
脳卒中は出血性脳血管障害と虚血性脳血管障害の2種類に分かられます。
1.出血性脳血管障害
脳出血 ・くも膜下出血があります。
① 脳出血は脳内に分布する細・小動脈が破れて出血し、神経細胞を破壊するものです。
② くも膜下出血は、脳を覆っている膜と脳の間にある動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破れて出血するものです。
2.虚血性脳血管障害
脳梗塞 ・一過性脳虚血発作があります。
① 脳梗塞は、動脈硬化等のために動脈が狭くなり、あるいは動脈や心臓内にできた血のかたまり(血塊)が、脳の動脈に流れ込み、詰まってしまうために、酸素やブドウ糖の供給が不足して神経細胞の壊死をきたすものです。
② 一過性脳虚血は脳の細小動脈が一過性に詰まり、細くなって血液の流れが減少して起きる脳卒中の一種で、たいてい数分から数時間で感覚が戻り症状は消失します。
|原因では
危険因子としては高血圧、糖尿病、高脂血症、ストレスが重要です。また、生活習慣にも深く関連があるから、生活習慣病ともいう。
◎高血圧 高血圧は脳卒中だけでなく狭心症や心筋梗塞など、様々な原因となります。
◎高脂血症 コレステロールは動物の肉や脂肪に含まれ、摂りすぎると高脂血症になり、動脈硬化を引き起こします。
◎心疾患 心臓弁膜症や心房細動などは、心臓の血流をよどませ、血液が固まりやすくなって血栓ができ、脳梗塞の原因になります。
◎ストレス ストレスがたまり、過労などでなりやすく、高血圧、動脈硬化を引き起こしやすいといわれています。
|症状は
脳梗塞(脳卒中全体の約60〜65%に占める)
◎安静した時(朝起きた時)、発症が多いとみられています。
◎発症して数十分から数時間は症状が進行する事が多い
◎知覚神経障害−右または左の半身(顔、手足)に力が入らない、半身の感覚が鈍い、痺れる。
◎運動神経麻痺−左右どちらかの手足に力が入らない、動けない。
◎言語障害−言葉がしゃべりにくい、言葉がでてこない、他人の言うことがわからないなど。
くも膜下出血(脳卒中の約15%に占める)
◎動いた時発症が多いとみられています。
◎突然、殴られたような頭痛で発症。
◎頭痛が主症状で嘔吐を伴い、重症例では急速に意識消失。
◎突然の頭痛だけのこともあり要注意。
◎明らかな局所神経症状(片マヒなど)を伴わないこともしばしばある。